スイミンミンゼミ

スイミンミンミキ


今日、稽古に行く待ち合わせで駅前にいた。

何かが落ちてきた。・・・・・・セミだ。
飛んでる最中に力尽きたのか?
もう夏も終わり。・・・そろそろこのセミも寿命なのか。
落ちてもなお、バタつき、「ジジジ・・・」と鳴いている。

生きている。

そこを容赦なく人は行き交う。
セミはその度に鳴く。

かろうじて助かっていたセミの上を、自転車が・・・自転車が・・・自転車が通り過ぎてった・・・。


『ジジジジジジジジジジジジジジジ・・・・・・・・・』


セミは鳴いた。
セミは鳴いた。
セミは泣いた。


半分になった。


生きてる。


半分になっても必死に動いてる。
必死に飛ぼうとしてる。
必死に生きている。

でも・・・しばらくして
・・・動かなくなった。
セミの一生を看取った。そう思った。
でも違った。


次の瞬間、



飛んだ。


半分になったセミは半分の自分を残して力強く飛んでった。


あのセミはあとどれくらい生きられるんだろう。
私はあとどれくらい生きられるんだろう。

あのセミはあとどれくらい鳴けるんだろう。
私はあとどれくらい夢を追えるんだろう。

今分かることは、
あのセミも今の私もまだ死ねない。
あのセミも今の私もまだ死ねない。

あのセミも今の私もまだ飛べる。
あのセミも今の私も、
この泣きそうな空だって強く強く
羽ばたいていけるんだって。







半分残った体はきっと、セミにとって憂鬱なものだった。


もう夏は終わり。


私も憂鬱な半身を置いていこう。


明日から

心から

笑えるように。





今日の一言☆
  たまには、しんみり。