水中のシンデレラ。

手をつないで。


水の中で息が出来たら
もうきっと
この世界にあがってこれない。
透明な空気が薄いピンクになって
肌にあたる風が心地よくて。
ゆっくりゆっくり歩いた。
足元は沈む。
心はちょっと浮かんでる。
15cm。
なんだか染みてきた。
夢のこと
君のこと
探してた
四葉のクローバーはみつからない
ユラユラユレル。
ユラユラユレル。
君の影。
ユラユラユレル。
ユラユラユレル。
遠い陽炎。




自分で魔法が使えたら
もうきっと
ガラスの靴には頼らない。
夕暮れに見とれて波に足を濡らす。
ウソみたいな約束。
指きりの手がちょっと照れた。
広い海とまあるい地球と自由な鳶と。
ちいさい自分がおおきく揺れた。
空の時計が12時の鐘を鳴らす
今日のさよなら。
明日のこんにちわ。
魔法が解けたとき
現実にうつむかない様に。
プカプカしてる白いものが何なのか
わからないけど
手を伸ばしたくなった。
帰りの馬車は南瓜になって
満たされた身体がぎゅっと縮んだ。
ユラユラユレル。
ユラユラユレル。
今はその揺れに身を任せて。
ユラユラユレル。
ユラユラユレル。
ちょっとのあいだ此処にいて。
ユラユラユレル。
ユラユラユレル。
君とアタシの間で揺れていて。